現在、国と県とで「沖縄振興策」なるものが、作成されようとしています。 その政治的な議論とは一線を画しつつも、会派を超えた県議会の皆さんの緊急の求めに応じ、昨年2010年に沖縄子ども研究会として急遽作成した「沖縄子ども振興計画の策定」に関する陳情を作成し、提出致しました。 私たちが作成した「陳情」は、大変短い時間に最低限の要求をシンプルに掲げたものですが、それだけ基本的なもの、沖縄の子どもたちに最低限保障しなければならない行政としての責任、わたし達の責任を述べていたのではないかと考え、ここに改めて掲載いたします。 もちろん個別施策、施設の新設、拡充も必要ではあります。 その上で、大切なのは現在の状況をどのように把握し、何にを解決するために、どこが、どう責任をもって施策を実行するのかを県民が共有、その情報が継続的に調べられ、開示されること・・・このような手順が踏まれてこそ、従来の「箱物」としての振興計画から、未来の子どもたちが生きていく場としての沖縄に必要な連続的な施策の実行が担保されるのではないでしょうか。 以上のような研究会としての考え方から下記の陳情が書かれました。これを機に、沖縄の子どもたちの幸せのための議論が一層深まることを望みます。ぜひご一読ください。 事務局より 平成22年 6月25日 沖縄子ども研究会 代表 加藤 彰彦 沖縄子ども振興計画の策定と子ども、子育て支援にかかる陳情について みだしの件について別紙のとおり陳情いたします。 沖縄子ども研究会 住所 沖縄県那覇市字国場555番地沖縄大学 電話 098-833-7311 代表 加藤 彰彦 沖縄子ども振興計画の策定と子ども、子育て支援にかかる陳情 要 旨 私たち「沖縄子ども研究会」は、昨年度『沖縄子ども白書』の編集刊行と『第55回子どもを守る文化会議沖縄集会』の開催を通じて、県内の子どもを支えるネットワークの構築、実態の把握に努めてまいりました。 その中で、私たちはつぎのことに気付きました。沖縄の貧困を、単なる「不況」としてではなく、日本国としての制度的不備や法律運用の不徹底、文化的、地理的、歴史的状況、基地の存在や経済状況を深く勘案せずに行われてきた国の施策運用の誤りとして捉え直す必要があるということ。これらの状況を十分把握してこなかった県の不作為を検証するべきであること。 特に深刻なのは子ども達の未来に関わる問題です。県内の少なからぬ子ども達とその家族は、深刻な「貧困状況」にあり、その影響は学力のみならず、子ども達の監護状況、安全、未来の雇用、結婚、出産、次の世代の子育てにまで大きく影響しています。親世代の困難が世代を超えて受け継がれている構造を断ち切る必要があります。 私たち沖縄子ども研究会は、すべての沖縄の子ども達がその成長と発達段階に応じた福祉、保健、医療、教育等の関係機関のサービスを無条件で受けられる体制を整備するとともに、子どもとその家族の貧困によって起こるあらゆる不利益に対して、その不利益を覆すための手段と機会、人的支援が行われることを望みます。 また、著しく整備が遅れている子どもの貧困、現況に関する、調査機関を設置、実態調査を行い、子どもの権利条例の制定、ユニセフ「子どもにやさしい“まち”」(Child Friendly Cities=CFC)事業への参加を望みます。 最後に、私たち沖縄子ども研究会は、県内のすべての軍事基地の撤去、及び普天間基地の無条件での即時返還を、沖縄県が求めていくことを望みます。 理 由 沖縄県は、県民の日本国憲法第13条に規定される「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を守るため、また、第25条1項における「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」を子ども達を含むすべての県民に保障する義務を国、市町村と共に負います。同時に、その実施のためには、子ども達の現況調査、特に貧困に関する調査が欠かせません。 また、1994年に日本が批准した『子どもの権利条約』を地方自治体において実行するためには『子どもの権利条例』が必要です。 国連の人種差別撤廃条約の順守状況を監視する人種差別撤廃委員会は3月16日、日本政府の定期報告書に対する最終見解を発表し「沖縄における不均衡な米軍基地一の集中が住民の経済的、社会的、文化的権利の享受を妨げている」と指摘し、その権利の尊重のために日本政府は適切な政策を講じるべきと勧告しました。また教科書検定に関する懸念について「教科書や出版物を沖縄の文化を反映させたものにすること、義務教育課程で琉球語を教えること」としています。 記
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