日本教科教育学会全国大会(主催・同会)のシンポジウムが13日、沖縄大学であった。全国学力・学習状況調査と学力問題について、国立教育政策研究所の銀島文・総括研究官、沖縄国際大の三村和則教授、沖縄大の加藤彰彦学長が意見交換。夜型社会や所得の低さなどを挙げ、沖縄の学力向上には教師の授業力改善だけでなく、地域や行政とも連携し、子どもが安心して学べる環境づくりへの施策が重要だとした。 銀島総括研究官は、調査の「問題」は授業実践のヒントだけでなく、教科のおもしろさを実感するよう作成されていることを説明。 「教師のアドバイスや友達の発表など集団による授業とは違い、調査では個人で解くプロセスが問われる」とし「教師が教えたつもりになっていないか、実態と照らし合わせる意味で活用してほしい」と話した。 三村教授は沖縄の学力問題について、離島県で本土と地理的に隔たっていることから競争や情報が少ないことなどが要因だと指摘。そのため学校、家庭、地域が一体となった取り組みだけでなく、修学旅行や入試、就職活動など児童・生徒が県外と行き来しやすいよう、沖縄振興計画を通し国に求めることが重要とした。 加藤学長は沖縄の学力は二極化傾向にあり、下位に位置する子どもの多くが経済的に厳しい家庭環境であると報告。「給食が主要な栄養源であったり病院に行けないなどで、結果的に授業に集中できない子も少なくない。安心して学習できる環境づくりのための施策が必要だ」と強調した。 |
―子どもと沖縄にかかわる報道― >