文科省 幼稚園行政継続 幼保一体化が後退

2011/11/07 20:42 に Naofumi Nakato が投稿

2011年11月5日東京新聞 朝刊

 
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 政府が二〇一三年度から段階的に導入予定の幼保一体化を柱とする新子育て施策「子ども・子育て新システム」について、文部科学省に幼稚園行政の一部を残す方向で検討に入ったことが四日、分かった。

 政府はすでに、幼稚園と厚生労働省所管の保育所をすべて一体化施設とすることを断念。当初の政府案は、文科省と厚労省に分かれている育児施策と補助金の一体化を目指したが、さらに後退し、目標としていた縦割り行政の解消は見送られることになる。

 新システムに否定的な一部の幼稚園が参加を拒否した場合、そうした園に引き続き私学助成を残し、文科省が所管するのがふさわしいとの判断がある。ただ、民主党の看板政策である幼保一体化のさらなる後退には、党内から今後反発も予想される。

 新システムでは、すべての子育て施設を一体化することが検討されたが、幼稚園側の反対で撤回。乳児保育所や幼稚園、幼保一体化施設である「総合施設」などの併存を容認した上で、それらを「こども園」と総称し、指定を受けた施設に「こども園給付」を交付する仕組みを導入する。

 現行の私学助成や保育所運営費補助は廃止され、「こども園給付」となる予定。だが、幼稚園が「こども園」の指定を拒否した場合、私学助成も「こども園給付」も受けられなくなり、利用者負担に転嫁される懸念があるため、私学助成の存続を検討することになった。

 政府は、私学助成より「こども園給付」を手厚くすることで、幼稚園の新システム参加を促したい考えだが、幼稚園がどこまで「こども園」指定を希望するかは不透明だ。

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