平和教育再構築へ 県内学者ら学会設立 - 琉球新報

2011/11/07 20:34 に Naofumi Nakato が投稿
2011年11月4日 琉球新報

 沖縄県内で平和や戦争について研究している学者や教育者、団体らが横のつながりを強化し、平和教育や平和学習の再構築を図ることを目的にした日本平和学会(事務局・広島)沖縄地区研究会が2日までに設立された。愛称は「沖縄平和学会」。若手研究者の育成や平和教育実践者の支援、平和運動の活性化に向けた取り組みを進める。12月4日、那覇市内で運営会議と設立記念研究集会を予定している。
 設立準備を進めてきた琉球大学の島袋純教授(政治学)は八重山地区の教科書採択問題や、県内移設を推進する動きも出始めている普天間飛行場移設問題などについて触れ「平和教育が不十分だったと認識させる重大な事案が起きつつある。平和教育衰退化の危機感もある」と指摘し、沖縄での平和学会の必要性を強調する。
 日本平和学会には現在、県内の研究者約20人が加入しているが、これまでは九州沖縄地区研究会しかなく、会員同士の横のつながりが希薄だった。島袋氏が設立準備を進め、10月29日の日本平和学会総会で提案し、承認を受けた。
 同研究会は県内の大学が順番で代表と開催事務局を担い、年に1回研究集会を開催。会誌も発行する。
 現在、仮の代表は新崎盛暉沖縄大学名誉教授が務めており、来月4日の運営会議で沖縄大学副学長の仲地博同大教授(行政法)が会長に選任される方向。メンバーは現在、日本平和学会の会員が中心だが、今後は小、中、高校で平和教育に携わる教員や平和団体などにも参加を呼び掛ける。
(宮城久緒)
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