虐待死事件で特命チーム派遣

2011/10/11 7:26 に Naofumi Nakato が投稿

 広島県社会福祉協議会は11月から、子どもや高齢者の虐待死事件が県内で発生した場合、現地に特命チームを派遣し、背景を調査、分析する活動を始める。昨年8月に福山市であった女児虐待死事件を受けた取り組みで、市町社協と結果を共有し、再発防止につなげる。全国社会福祉協議会によると、虐待の背景調査に社協が乗り出すのは全国的にも珍しい。

 特命チームは社会福祉士の資格を持つ職員4、5人で編成。現地の警察署や市町社協、福祉事務所、児童相談所などと連携し、事件が起こった家庭が地域から孤立していなかったかなどを調べる。結果の分析後、県内全23市町の社協職員も交えた勉強会を開催。孤立化の解消や周囲の見守り態勢の在り方などについて意見交換し、再発防止を図る。

 福山市の事件では、女児の家庭は転入してきたばかりで町内会にも未加入だったため、民生委員を含む周囲に状況を十分把握されていなかった。県社協の渡辺邦男事務局長は「市民と地域社会をつなぐのが社協の役目。支え合いや助け合いの在り方を見つめ直し、悲劇を防ぎたい」と説明する。

 県社協は活動が軌道に乗り次第、孤独死や介護疲れによる心中、自殺も調査対象に加える方針。全国社協の山下興一郎広報室長は「画期的な取り組み。他の都道府県の社協にも広めたい」と話している。

2011/10/07 中国新聞

Comments