毎日新聞 2011年9月27日 中川正春文部科学相は27日の衆院予算委員会で、高校生向けに返済不要の給付型奨学金を創設する方針を明らかにした。富田茂之氏(公明党)の質問に答えた。低所得世帯を支援するとともに、16~18歳を対象にした特定扶養控除の見直しで負担増になった世帯に対応する。また、経済的な理由で就学困難な大学生向けの給付型奨学金も設ける方針で、12年度予算案の概算要求に計上する。 政権交代に伴って10年度から高校授業料無償化が始まった一方で、所得税と住民税の特定扶養控除額が縮減された影響で、全日制よりも授業料の安い定時制や通信制、特別支援学校の生徒のいる世帯は負担増となった。こうした生徒は10年度で約27万人に上る。 文科省は今年4月、各都道府県に対し、高校生向けの貸与型奨学金を拡充するため09年度に設置した基金を活用し、負担増になった世帯への貸与額増加や返済減免による支援を促した。だが、基金を使える期限が今年度末までという事情もあり、支援策を実施した都道府県はない。文科省は低所得者支援を組み合わせた給付型奨学金を新設し、授業料以外の通学経費に充ててもらうことにした。 大学生についても、現状では国が貸付金の支出などでかかわるのは日本学生支援機構による貸与型の奨学金しかない。文科省は一定の成績要件を満たす学生に奨学金を支給し、高等教育を受ける機会を保障する方向で調整している。【木村健二】 |
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