ここでは、主に沖縄とこどもに関わるニュース・記事を取り扱います。…ときどき、関係無い記事も扱います。 これらの記事は記録として各々のサイト、ブログ、記事から全文持ち帰らせていただいていますが、もし、引用等でお使いの場合は、必ず元記事を参照してください。(万が一元の記事が参照できない場合は使用なさらないでください) 現在、これらの記事の元になるアーカイブを作成中ですが、公開は沖縄子ども研究会会員の方のみを予定しています。 |
―子どもと沖縄にかかわる報道―
特集:命を守る 児童虐待根絶へ
「幸福度」の指標、貧困率など132個 内閣府試案
日本経済新聞 2011/12/5 10:06 内閣府は5日、国内総生産(GDP)など経済統計だけで測れない豊かさを示す「幸福度指標」の試案を発表した。幸福度を調べる材料として、貧困率や平均寿命、有給休暇取得率など132個の指標を挙げた。問題点を政策に反映しやすくするため、一つの数値では表さない方針だ。 幸福度は仕事への満足感など「経済社会状況」「心身の健康」、地域や家族との「関係性」の3本柱で、個人の幸福感を測る。環境の「持続可能性」も幸福度に含まれると定義した。 内閣府は特定の世帯を選び、それぞれの指標について数年間データをとり続ける計画。統計として政策運営に生かせるかを確かめる。 政府は昨年閣議決定した新成長戦略で、幸福度指標を作成する方針を掲げた。幸福度指標では、ブータンの国民総幸福量(GNH)が有名で、フランスなども指標の開発を進めている。 |
子どもは自分の何を決めていいか
yomiuri on line 2011年12月2日 前回、「親の許可をもらわないで未成年の娘に緊急避妊の薬を処方していいのか」と抗議された一例を紹介するとともに、医師としての守秘義務の話をしました。これを受けて、「子どもは自分の何を決めていいか」をテーマに、「医療を受けること」 「セックスすること」を例に考えてみました。 ところで、各種法律によって「子ども」の定義が微妙に異なっているのをご存知でしょうか。民法では「満20歳をもって成年とす」としており。児童買春・児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律では「この法律において児童とは18歳に満たない者」、民法上での婚姻許可年齢は「女子16歳、男子18歳」、氏の変更権は「15歳以上であれば自分で届け出ることができる」。臓器移植同意権は「15歳」、刑法上の性交渉同意年齢は「13歳未満の女子を姦淫した者は強姦罪とし2年以上の有期懲役に処する」などとなっています。しかし、性行動における「子ども」をどう捉えるかは、成長の度合いや養育環境などを踏まえて、法律以上に個別対応が求められることになります。 医療を受けることについては年齢制限はありませんが、契約を伴うために「法律行為」として扱われています。したがって子どもが医療を受けるには、法廷代理人の同意を要することが原則となっており、「子ども」に法律行為能力(法的に有効に契約できるか)、同意能力(治療の中身を理解して締結したか)、事理弁識能力(太陽は東から昇り西に沈むなど、物事の経験則を正確に理解する能力)があれば、医療契約は成立すると考えられています。したがって、理解の度合いによるところですが、医療機関受診は自分で決めていいことになります。 もちろん、保険診療を受ける場合には、保険証の提出が必要ですし、親に知られる可能性は高くなりますが、医療機関側から親の承諾書を取り立てることはありません。医療の現場では患者から知り得た情報に対しての守秘義務があるために、子どもが親の了解なしに受診するような場合には、どういう対応が適当なのか苦慮することがしばしばです。子どもが親に知られたくないと主張するにもかかわらず、親を巻き込むことは子どもの権利の侵害になるのは当然です。一方、医療契約としては親の同意が必要なのですから、何か事件が発生した場合を想定して、年少者では親の意見を聞かざるを得ないのではないかとの疑問が残ります。 もっとも子どもが行動を起こす前に親が巻きこまれず、後から知らされたのでは親としての責任を果たすこともできないわけで、日頃から口うるさく干渉するだけでなく、いつでも相談の対象として子どもから選ばれるような親でありたいものです。 それではセックスについてはどうでしょうか。高校生の頃、セックスのことばかりを考えては悶々とした日々を過ごしていた自分の過去を振り返れば、年少という理由だけでセックスを否定することはできません。動物は月経や射精を経験した直後から性交が行われるといいます。としたら、人間とはいえ動物性を有する私たちが12、3歳からセックスを開始しても不思議ではなく、むしろ、それが当たり前であるという前提の上に、コミュニケーション、セックス、避妊、性感染症予防などをテーマにした教育を積極的に推進していくことが必要ではないでしょうか。 しかし、そのような教育が欠落している今日、医療の現場には、セックスの結果必要となった緊急避妊法、妊娠や性感染症などを訴えて受診する子ども達が絶えません。教えられていないのですから当然かもしれませんが、問題認識が欠けているのです。リスクを100%回避するためにはセックスをしないこと以外にはありませんが、仮にセックスを「する」と決めるのであれば、自分の健康や安全を脅かす問題からも目をそらすわけにはいきません。 還暦を迎えてもなお、「いいセックスとは何か」と悩み続けている自分がいます。方程式を解くように明快な回答があるわけではありませんが、以下の問いにひとつでも「No」があったら、セックスを先送りして欲しいものです。でも、これは中学生にというよりも、「いいセックス」の実現を目指す自分自身に向けた問いでもあります。 □ 自分や相手のカラダのことをよく理解していますか? □ 相手を尊重して対等な関係でいられますか? □ きちんと話し合うことができますか? □ 避妊と性感染症予防に責任をとれますか? □ 妊娠したらどうするか、覚悟はできていますか? □ 人の心や体を傷つける性行為はしないと誓えますか? □ 本当にありのままの自分でいられますか? (北村邦夫:「いつからオトナ? こころ&からだ」、集英社、東京、2003) |
1-10 of 97