沖縄集会詳細

会場について、一日目、沖縄大学隣の沖縄尚学高等学校体育館での全体会開催となります。
託児などは、沖縄大学で行います。

オプショナルツアーの参加申込受付け、おかげさまで多数の参加があり修了しました。

第55回子どもを守る文化会議・沖縄集会開催案

  • NoWar!21世紀を子どもの世紀・平和の世紀に!(全体スローガン)
  • 子どもが豊かに育ち、学ぶ権利を!(中央スローガン)
  • 子どもを主人公とした、あらたな子育て、子育ち「ゆいまーる」をつくろう。(沖縄スローガン)

会 場:沖縄大学(〒902-8521沖縄県那覇市国場555番地)
    :沖縄尚学高等学校体育館
日 時:3月20日(土)オプショナルツアー午後1半集合
    :3月21日(日)10時半~17時  沖縄尚学高等学校体育館
             18時より交流会 沖縄大学同窓会館(本館)
    :3月22日(月)9時~16時 ※振替休日
参加費:一般2000円、学生1000円(2日間、高校生以下無料)

公式ホームページ
http://www.kodomo.libre-okinawa.com/

沖縄大学のご案内(地図)
http://www.okinawa-u.ac.jp/shisetsuAccess.php
◆バス路線
 ※那覇市市内線
  真和志小学校前(那覇市寄宮)下車、南へ徒歩約7分
  那覇バス・・・1番、3番、5番

  沖縄大学前下車
  那覇バス・・・6番

 ※市外線
  那覇バスターミナルより沖縄大学前下車
  沖縄バス35番(志多伯線)、100番(白川線)、40番・109番(大里線)

◆タクシー 那覇空港より20分~30分

◆自家用車 駐車場が手狭なため、大変混み合うことが予想されます。できるだけ公共交通機関をご利用下さい。


主催:第55回子どもを守る文化会議・沖縄集会実行委員会

主管:沖縄大学学生支援GP

後援:沖縄県、沖縄県教育委員会、自治労沖縄本部、(社団)沖縄県PTA連合会、(社団)沖縄県子ども会育成連絡協議会、(社団)沖縄県婦人連合会、(社団)沖縄県里親会、(社)沖縄県社会福祉士会、沖縄地域児童文庫連絡協議会、(財)沖縄県老人クラブ連合会、沖縄県教職員組合、沖縄県精神保健福祉士協会、スクールソーシャルワーク研究会おきなわ、沖縄県子どもの本研究会、沖縄県精神保健福祉士協会、(社福)沖縄県社会福祉協議会、沖縄県学童保育連絡協議会、沖縄県児童館連絡協議会、沖縄なは子ども劇場、沖縄県保育協議会、沖縄県ファミリー・サポート・センター連絡協議会・NPO法人なはまちづくりネット

協賛:NPO法人セルフケア総合研究所、日本教育シューズ協議会、四恩学園ナザレ幼稚園、(株)明石書店、沖縄パナソニック特機(株)、(株)AMALA FENGSHUI INTERNATIONAL、(NPO法人)こども家庭リソースセンター

賛同団体:かびら文庫、(株)現代書館、NPO子ども相談支援の会

協力:沖縄尚学高等学校、沖縄大学

連絡先
・沖縄実行委員会
〒902-8521 沖縄県那覇市字国場555番地 沖縄大学 学生支援GP
MAIL:okikoken@gmail.com、TEL: 098-833-7311、FAX:098-833-7310
・中央実行委員会
〒170-0005 東京都豊島区南大塚2-17-10 日本子どもを守る会気付
TEL:03-5319-3645、FAX:03-5319-3546


3月20日(土)オプショナルツアー 「沖縄の子どもの状況を巡る旅」

基地と平和の現場と子どもの日常を巡ります。
(普天間・嘉手納基地、基地外住居、団地、児童館)
13:00 沖縄大学 発
18:00 沖縄大学 着
ツアー参加費:3000円(事前申し込み)
申込受け付け終了しました。

3月21日(日)第1日目:記念講演と分科会

於:沖縄尚学高等学校体育館(沖縄大学となり)

10:00 受付 
10:30 オープニング記念公演&講演
『宮森小学校米軍ジェット機墜落事故からの半世紀』(仮)
<講演>
平良嘉男(うるま市立宮森小学校校長)、児童・若者達
<コーディネーター>
加藤彰彦(沖縄子ども研究会代表、沖縄大学教授)

12:00 休憩 :お弁当は事前に受け付けています。

13:00 開会の挨拶
正木健雄(子どもを守る文化会議中央実行委員長)
13:10 日本子どもを守る会からの基調報告
13:30 実行委員会挨拶
玉寄哲永(子どもを守る文化会議・沖縄集会実行委員会共同代表)
13:40 会場沖縄大学からの挨拶
桜井国俊(沖縄大学学長)
13:50 大会実行委員会からのご案内

14:00 シンポジウム
『子どもたちを通して見えてきた「沖縄」』
<パネリスト候補>
與座初美(NPO法人 こども家庭リソースセンター沖縄理事長)
山内優子(元沖縄県中央児童相談所、コザ児童相談所所長)
知花聡(沖縄県学童保育連絡協議会会長)
田嶋正雄(沖縄タイムス記者)
新崎盛暉(沖縄近現代史、社会学、沖縄大学理事長)
<コーディネーター>
吉葉研司(幼児教育学、琉球大学准教授)

17:00 一日目日程終了

18:00 交流会 (会場:沖縄大学本館同窓会館)
各団体の紹介・交流

20:30 修了


3月22日(月)第2日目:分科会と全体会

於:沖縄大学各教室

09:00 受付
09:30 分科会
16の分科会に別れ、討議します。

12:00 休憩 :お弁当は事前に受け付けています。

13:00 午後の分科会

15:00特別報告
『子どもの権利条約実現に向けて…国連へのNGOレポート提出報告』
<講演>
世取山洋介(新潟大学准教授)
15:30 全体集会
分科会からの報告
全体報告
「提言」採択
閉会挨拶

16:20 閉会


分科会の内容

A子どものからだと心を守り育てる!       

    ①乳幼児の保育と子育て
●子どもを安心して産み、健康に育てられる手立て
●保育園・幼稚園の保育・教育
●親のつながりをつくる
○分科会世話人
 ウィンフィールドひろみ(グッピー保育園園長)
 坂本玄子(子どものからだと心・連絡会議)
 東江幸子(全国幼年教育研究協議会)

    ②子どものからだと心を育てる
●子どものからだと心の実態
●子どもの体力・運動能力と子育て
●子どもをたくましく育てる学校・家庭・地域
○分科会世話人
 山城眞紀子(沖縄キリスト教短期大学)
 正木健雄(日本子どもを守る会)
 水田嘉美(子どものからだと心・連絡会議)

    ③子どもの生活と食生活
●子どもの生活や食生活の姿を見つめ直す
●園や学校での給食の現状と課題
●安全・安心の食事と食文化を子どもたちに伝える
○分科会世話人
 下地洋子(沖縄県栄養士会 会長)
 佐藤美代子(家教科教育研究者連盟)
 石黒昌孝(農民運動全国連合会)

B子どもが育つ、子どもを育む環境とは?       

    ④子どもと貧困・格差社会
●貧困のゆくえ・沖縄からの報告
●行政の貧困・地方の格差
●貧困・格差と学び・育つ権利
○分科会世話人
 山内優子(元児童相談所所長)
 高柴光男(日本子どもを守る会)

    ⑤子どもと地域・環境
●放課後アンケートから見えた沖縄の子どもの放課後
●子育て広場から見える、乳幼児期の越立ての現状
●子どもが豊かに育つ地域づくり
○分科会世話人
 山城康代(NPO法人りんく・いしかわ代表)
 柳澤治信(少年少女センター全国ネットワーク)

    ⑥子どもと自治体
●こどもの生活実態の掌握・全体像の共有(現場や市民の声を公のテーブルへ)
●こどもの育ちを支える仕組み(こども施策を自治体の中心課題に)
●こどもの声を聞き、反映させる仕組み
●民営化・統廃合など「構造改革」の問題
○分科会世話人
 鈴木友一郎(沖縄市子育て勉強会)
 長尾演雄(神奈川自治体問題研究所)

C子どもたちに豊かな文化を!       

    ⑦子どもに豊かな文化を
●人間の生の声をつたえる文化について・・・
●命のつながりを意識し命の大切さを伝承する文化を
●自然と歴史・社会的環境を踏まえた人間文化の伝承へ
○分科会世話人
 大田利津子(沖縄県子どもの本研究会)
 真栄城玄徳(くすぬち平和文化館館長)
 照屋寛信(NPO沖縄伝承話資料センター理事長)

 中村博(日本子どもを守る会)、
 菊地好江(紙芝居「ひょうしぎの会」)

    ⑧子どもとメディア
●メディア漬けによる子どものからだと心
●沖縄における学校・家庭のメディア・リテラシーとは
●メディアとの向き合い方を考えるワークショップ
○分科会世話人
宜野座智子(沖縄なは子ども劇場)
 田仲由紀子(子育て情報うぃず)
 山崎新(沖縄大学学生支援GP)
 大山圭湖(中学校教諭)
 高橋栄(親子映画東京連絡会)

D子どもの育ちと学びを保障する!       

    ⑨障がいのある子に豊かな育ちと学びを
●障がい者の「こども時代」を考える。
●障がい当事者がこれまでの人生を振り返り、育ちの環境について話す。
●障がいのある子を守り、その発達を支援する教育
○分科会世話人
 横山正見(沖縄大学)
 杉浦(全日本教職員組合)

    ⑩発達障がいへの受容と支援の広がりを
●発達障がいへの受容と支援の実態
●地域に拡がる支援の取り組み
●沖縄における発達への「ゆいまーる」
○分科会世話人
新垣道代(沖縄子ども研究会)
 海野高志(沖縄子ども研究会)
 舟見久子(全国養護教諭サークル)

    ⑪子どもと学校
●沖縄における復帰前と後の学校教育の変容
●平和教育の再建
●沖縄から学力問題をどう考えるか(学力テスト、学習指導要領の問題など)
○分科会世話人
 奥平一(沖縄子ども研究会)
 喜瀬乗進(日本教育カウンセリング協会)
 長堂登志子(沖教組那覇支部)
 石川喩紀子(子どもの権利・教育・文化全国センター)
 沖野章子(子どもと教科書全国ネット21)
 今谷賢二(全日本教職員組合)

    ⑫共に育む子どもの学びの「場」
●「学校」という「場」を自分たちでつくるというのはどういうことか
●「学校」をつくる。「授業」をつくる
●地域における青年・大人の役割
○分科会世話人
 盛口満(沖縄大学)
 武山ゆかり(日本子どもを守る会)

E子どもと共に現代を生きる!       

    ⑬憲法・子どもの権利条約
●子どもの権利を保障するとは何か
●日本の子どもの権利保障の何が問題なのか
●3回目を迎える国連子どもの権利委員会日本審査に向けての取り組み
○分科会世話人
吉葉研司(琉球大学准教授)
 世取山洋介(新潟大学准教授)
 三宅良子(子どもの権利・教育・文化全国センター)
 白鳥晃司(日本民間教育連研究団体連絡会)

    ⑭子どもと基地・暴力
●米軍基地・自衛隊基地の実態
●基地の街における子どもたちの生活環境と教育
●子どもへの暴力に立ち向かう住民運動
○分科会世話人
嘉納英明(名桜大学准教授)
 高里鈴代(基地・暴力を許さない女たちの会)
 満川尚子(歴史教育者協議会)

    ⑮子どもの悩みにどう答えるか
●真に子どもの声を聞くとは?
●子ども支援とは親支援?
●人は環境の中で生きている。
○分科会世話人
 比嘉昌哉(沖縄国際大学准教授)
 名城健二(沖縄大学准教授)
 石田かづ子(全国養護教諭サークル)
 伊藤由紀夫(全司法労働組合)

    ⑯若ものと社会
●地域サポートステーションの若者の現状
●就労支援と雇用問題
●ハローワークから見える若者の就労
○分科会世話人
 大城喜江子(NPO法人なはまちづくりネットワーク)
 福長笑子(三多摩高校問題連絡協議会)
 古賀(三多摩高校問題連絡協議会)
 鈴木敏則(日本高等学校教職員組合)



■事前参加申し込み方法

下記の「参加申込書」または、Web上の「参加申込シート」にアクセスして、必要事項を記入の上、3月1日までに沖縄実行委員会にFAX・メール・郵送・web上にて、お送りください。
参加については、申し込みを頂き、入金を確認した時点で受付となります。

WEBからは、こちらから申し込みを行うことが可能です。

携帯は、こちらで

■参加申込

氏名
よみがな

メールアドレス
連絡先電話番号
ファックス
郵便番号・住所

希望分科会 第1~第3まで
参加費用
一般2000円・学生1000円・高校生以下無料
参加分科会 ①~⑯
昼食お弁当代金
一日目 500円
二日目 500円
交流会 3000円
バスツアー 2000円

保育申し込み
対象年齢2歳以上(先着順:30名まで)
一人一日500円(昼食代含まず)
2歳未満については、下記までご相談下さい。ファミリサポートとしての対応を行います。
特別なサポートが必要な子どもたちについても、ご相談下さい。
【連絡先】沖縄県ファミリー・サポートセンター連絡協議会098-931-0678
      「3月の全国集会の件で」と、ご連絡下さい。

その他、サポートが必要な方は、ご連絡下さい。

・・・・・・・・・・・・・

参加費の振り込みは、こちらです。

■郵便振り込み先:01780-1-134536
口座名:沖縄子ども研究会

■ゆうちょ銀行金融機関コード 9900
店番179
預金種目当座
店名一七九 店(イチナナキユウ店)
口座番号0134536

郵便:〒902-8521 沖縄県那覇市字国場555 沖縄大学2号館305 ゆいまーる室
ファックス:098-833-7310
電話:098-833-7311
メール:okikoken@gmail.com
担当:沖縄大学学生支援GP 仲渡尚史(なかとなおふみ)



宿泊について【重要】

宿泊予約については、各自で!
沖縄県外からご来訪予定の方は、できる限り早目のご予約を!

3月20日(土)から22日(日)は、春休みの連休に当たり、航空券が高騰します。
それだけ気持ちの良い季節なのですが、県外からご来訪予定の方は、できる限り早く、旅行者への申し込みをお願いします。

※ 20日から22日の間は、正規だと10万円を超える値段となります。しかし、早く申し込みを行えば7万円以下のチケットもございます。また前後の日に1泊 または2泊増やすと、数万円お安くなることもございますので、ご予約の際には、各旅行社、各日程お見積りの上、ご検討ください。

なおホテルのご案内については、那覇市内をご予約いただければ、会場の沖縄大学までは、タクシーで基本的に1000円程度での移動が可能です。
※ なお参考までに…実行委員の皆さんには、ホテルタマキ 那覇市安里2丁目8-8(モノレール安里駅前)をご案内しています。栄町市場、国際通りも近く、便利な地域です。

※ 旅行社については、特に指定はございませんが、東京からの方には、参考までに、下記の代理店をご紹介します。他の地方からいらっしゃる方も、それぞれの地域の支店などご紹介いただくと良いかもしれません。

沖縄ツーリスト株式会社東京支店
オペレーション課 担当:田造 崇
TEL:03-3509-6311
FAX:03-3509-6321


第55回子どもを守る文化会議・沖縄集会 沖縄実行委員会(50音順)

共同代表:高里鈴代(基地・軍隊を許さない行動する女たちの会共同代表)
共同代表:玉寄哲永(沖縄県子ども会育成連絡協議会会長)
副代表 :新垣道代(沖縄子ども研究会会員)
副代表 :加藤彰彦(沖縄大学教授)
副代表 :知花聡(沖縄県学童保育連絡協議会会長)
副代表 :山内優子(元沖縄県中央・コザ児童相談所所長)
副代表 :山城眞紀子(沖縄キリスト教短期大学教授)
事務局 :上原健二(沖縄女子短期大学講師)
事務局 :海野高志(沖縄子ども研究会運営委員)
事務局 :吉葉研司(琉球大学準教授)
事務局長:仲渡尚史(沖縄大学学生支援GP担当)
主管:沖縄大学学生支援GP


ご案内

 2010年、21世紀 が、はじまって10年が過ぎようとしています。子どもが発見され「子どもの世紀」と呼ばれた20世紀。この10年、「子どもの危機」「子ども期の剥奪」と いう深刻な事態が進む一方で、子どもを守り、子ども期を大切にする取り組みが各地で目を出しつつあります。それは、豊かな文化を持つ沖縄も例外ではありま せん。

 “足下を掘れ、そこに泉湧く”、いまこそ沖縄や各地での取り組みに学び、その出会いの網の目を広げる時です。萌芽の3月、子どもの文化会議で会いましょう!


ご案内2

新しい共同が沖縄で始まる。

 

美しい海に囲まれたこの島では、海で遊んだことのない子どもたちがたくさんいます。海を見ることもなく、楽しむこともなく、暴力に怯え暮らしている子どもたちも… その生きることの子どもたちの命の困難さは、沖縄の歴史、政治的支配の構造、米軍基地の存在を抜きにしては語ることが出来ません。


私たちは、自分たちの困難さを、貧困を、基地を、暴力を、自分一人の力では変えることが出来ないものとして受入れ、其処に発生する困難さは、自己が負い、また、子どもにも負わせて、生きていくしかないものだと諦めてきました。

 

しかし、いま沖縄は変わりつつあります。1995年の少女レイプ事件の後、子どものしあわせを奪う現状を、ただ「被害」として受け止めるのではなく、自分たち一人ひとりが現状を変えられなかった「加害」の責任を担うことで沖縄島民の中に、大きな価値転換生まれました。


市民を分断し、自己責任を押しつけようとす人々とは対照的に、そこは新しい共同の芽が育ちつつあります。沖縄に本来あった豊かな関係性、人と向き合い、その痛みも分け合い、我がことのように助け合う関係。強さを求めるだけでなく、弱さをも受け入れ認め合う、人の繋がりを結び直す時が来ています。


「支援」が、枠組みや制度としてではなく、また、権利や要求というやりとりでもなく、当事者自身が、他者との関係性の中で、個々個別に支援につい共有する作業を行いながら、支援のあり方、その人の生きる場を変え、結果として大きな社会変革を起こしていくという新しい流れが起きつつあるのです。


この新しい流れは、沖縄の社会・文化の中で、また、それぞれのコミュニティの中で、共に老い、学び、育っていく、新しい共同の可能性へと繫がっていくようにも思っています。



課題

 

「こどものしあわせ」を願うことから始まった沖縄の動きは、今後止まることはないでしょう。一方で、こうして動かなければ、もうどうしようもないほどの沖縄は危機的な状況にあるということも事実です

 

OECDが行った国際比較によると、日本の子どもの貧困率は13・7%(2004年)、約7人に1人の子どもが貧困状態とかなり深刻な状況にありますが、この基準(例えば日本では4人世帯で254万円)は、一人当たりの県民所得が全国平均の304万円に対して、202万円(平成17年度)の沖縄の子どもたちは、その倍近くのが「貧困」常態に置かれていると推測できます。

 

こ のような圧倒的な「経済的貧困」は、沖縄において、地域、親族のつながり「社会的関係性の豊かさ」によって補われ、生き延びてきた面も確かにあります。し かし、いまや沖縄における核家族世帯の割合は全国4位62.1パーセント。社会的にかろうじて支えていたものが、ここにきて一気に崩れていく可能性がそこにはあります。

 

危険な貧困の状況は、先に述べた新しい共同、新しい関係性の構築によっても、救われなければなりませんが、基礎的な収入、就業の面において、根本的な解決 がなされなければ、やはり状況は厳しいといわねばなりません。また、経済成長をはばむもの(成長することが必ずしも善ではありませんが)が、基地政策であることも、ここにあらためて付け加えておきます。

 

沖縄は、その民族、歴史、文化的、地理的な様々な状況にあって、他府県とは違います。たとえば、この小さな沖縄をはじめとする、離島群では、一つひとつの子どもの困難な状況に対して、中国地方、関東地方・・のような広域のネットワークを組むことができず、孤立しがちです。ありとあらゆる社会的な保障が遅れているにもかかわらず、他の地域からの情報、支援からの孤立しているため、困難な状況にある家族は、自らが困難で、支援が必要だということにすら気がつかず、生まれながらの自己責任としてその困難さを継承し、衰弱しています。

 

行政学では、子どもに関する教育、福祉は地方自治体の専権事項であるという考え方があるようです。そうであるならば、この子どもの困難さを、真っ先に、直接的に救う「地方独自の子ども支援施策」が必要ではないでしょうか。

 

現在、私たち沖縄子ども研究会では、県内の多くの皆さんにご協力いただき、『沖縄子ども白書』の編纂と、2010年3月21日、22日の『第55回子どもを守る文化会議・沖縄集会』に向けた準備を進めています。沖縄の子どもたちが向き合ってきた、長年の経済的、社会的な貧困、暴力の連鎖を断ち切るためにも、より多くの皆さんとともに課題の共有を行い、未来に向けて「子ども支援」の具体的で有効な提言について議論することができればと、望んでいます。ぜひ、この機会に、より多くの方に遠い沖縄まで足を運んでいただきたいと願っています。豊かな関係性を結び直し、当事者と共に始める、子どもがしあわせな社会への変革のために。



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